みなさまこんにちは。さよこです^^
今回は初めて書評?読書感想文?的な記事を書いていこうと思います。
平成最後の日は雨。。じっくり家で読書をしていました!
『フーガはユーガ』 伊坂幸太郎著
帯より
常磐優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。
双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、
そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。
僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。
双子の優我と風我。
幼い頃から父親からの虐待を受け、母親はそれを見て見ぬふり、という過酷な環境で育ちます。
そんな中で互いに支え合いながらなんとか成長していく2人。
ある時、2人には「入れ替わり」という不思議な出来事が起こる。
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後半の伏線回収はお見事です。
わたしはあんまり予想などせず純粋に読む方なので、
そうきますか!と、もう畳み掛けられるようで。
後半はページをめくる手が止まらず一気読みでした。
さて、ここからは先はすごいネタバレ!
読了済で感想共有したい人だけ見てください^^
やっぱり伏線回収・・!
高杉と話ししている意味、
新幹線が遅れていること、
ボーリング玉を忘れてきたこと、
「僕の話しには嘘が含まれていることがある」発言、
すべてが繋がる。
ラスト、双子得意の相手の隙を作るための「アレ」。
優我が生きていて別の場所に跳んでいたらこのシーンは出来なかった。
優我が息絶えた意味も大いにある。(生きててほしかったけど・・)
作家さんの頭の中どうなってるんだろ〜
どうやって考えるんだろ〜
こういう類の小説読むといつも思う、作家さんのすごさ。
双子の絆
そして、優我と風我の関係性がいい^^
「支え合わないと生きていけなかった」という2人。
過酷な環境を生き抜いてきた双子の絆が滲んでいます。
フラットなようにも見えるのですが
口に出すまでも、確認しなくとも、なんとなく互いが互いを理解していて
絶対的な信頼がある感じ。
キャラクター的には優我よりちょっぴりやんちゃでユーモアのある(ように感じた)風我が好き。笑
代表的な入れ替わりエピソードがいくつか出て来ますが、ド修羅場中に入れ替わりで風我が跳んでくる率が高い気がして。
優我が前置きを作って、跳んできた風我が瞬時に状況把握して仕留めにかかる、みたいな。
そんな連携プレー。
どうなるの?どうするの??と読んでてハラハラするんですが、謎の安心感がありました。笑
後半、優我の「俺の弟は、俺よりも結構、元気だよ」
親指を立てて「後は任せた」←ドラマチックだなあ。こういうの大好き。
まとめ
痛々しい場面や、非道徳的で辛い場面も多く、
救いもあるような、ないような、、なのですが、、。
ハッピーエンドでもないのですが読み終えた後はなぜかちょっとだけ柔らかい気持ちになっている不思議。
好きな一節があります。
たぶん、開封されたとたんに、「ダメなやつ」「雑魚」と決めつけられたカードに、チャンスを与えたい思いがあったのかもしれない。僕と風我も生まれたとたんに、「外れ」と捨てられたかのような日々を送ってきた。それでも放り投げずに、しがみつくように生きてきた。もしかすると、いずれ、「一等賞」とまではいかないまでも、「入賞」もしくは「敢闘賞」あたりの出来事が待っているのではないか、それくらいはあってもいいだろうに、とは思っていた。同様に、このカードにも活躍の場があってもいいのではないか。そんな気持ちだったのかもしれない。
小説ほどひどい境遇でないにしても、こんな想いは万人が少なからず抱えているのではなかろうか。
人の心に寄り添ってくれる一節だなあと。
双子は紛れもなく「正義のヒーロー」でしたよ^^
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